展示生物の採集はもちろんですが、今年も研究者の方々と色々なミッションがあるので、月1ペースの頻度で熊野灘の沖合底引き網漁船に乗せていただいて生物採集に出かけています。
目的のひとつはシダムシ探し。
シダムシはヒトデに寄生する甲殻類で、日本で記載されているのは3種類だけ。
2015年に水深300mに生息するユミヘリゴカクヒトデとウデナガゴカクヒトデからシダムシを見つけましたが、今シーズンはまだ出会えていません。
昨シーズンはウデナガゴカクヒトデを270匹以上解剖して(死後に解剖)見つかったシダムシはたったの4匹…
寄生率が非常に低いようです。
それでも今シーズンは既にもう100匹以上のヒトデを調べているんですよ…でも未だに見つかっていません。
確率で言えば、2匹は見つかっても良さそうなものなのに…
一方、ユミヘリゴカクヒトデのシダムシは寄生率が30%を超えていたので、比較的簡単に見つかりそう。
期待ができます。
…んが、やはりこちらも。
今シーズンはまだ見つかっていません(確認したヒトデは3匹ですが)
最後に見たのは去年の5月だったなぁ…
そろそろ見つけたい…とずっと思っていました。
だから今朝、死亡したユミヘリゴカクヒトデを裏返しにしたとき、小躍りしましたよ(笑)
ヒトデから取り出しました。
成熟しているようで、枝分かれした外套の中に卵がたくさんあります。
今シーズン初、7ヶ月ぶりのユミヘリゴカクヒトデのシダムシです。
…というわけで、しつこいようですが、シダムシ日記(備忘録)は今年も続きます…
【飼育研究部 森滝丈也】