12月の熊野灘沖合底引き網採集でアラレナガニシの貝殻に付着するヤドリスナギンチャクの仲間が2群体採集できました。
それほど珍しいものではありませんが、状態良く採れることは少ないような…
これはイソギンチャクではなく、スナギンチャクの仲間ね。
スナギンチャクの仲間は体を補強するために体壁中に砂粒を埋め込み、群体性の種類が多い。
そんなスナギンチャク類の中で貝などと共生するグループがヤドリスナギンチャクの仲間。
この仲間は、まだまだ分類学的な研究が進んでいないようです。
これも、もしかしたら…
これまでに何度かこのヤドリスナギンチャクを飼育する機会がありましたが、意外と長期の飼育が難しい。
徐々に溶けて(縮む?)しまうのです。
先程、見やすい位置にいたので撮影がてら確認してみましたが、あぁ今回も既に少し溶け始めているような…
で、いつも不思議に思うのですが、いつも殻の頂上(画像では左側)のスナギンチャクから溶けていくようです。
何か理由があるのか…?
展示はできるだけ続けますので、興味のある方はぜひへんな生きもの研究所までお越し下さい!
【追記】同じ海域で採集されるヤドリスナギンチャクは現在3種類を確認しています。中でもいちばん奇妙な姿をしているのが「ヤドカリスナギンチャク」と呼ばれる こちら。
なかなかのインパクト!(残念ながら、現在、こちらは展示していません)
【飼育研究部 森滝丈也】