鳥羽水族館で孵化したオウムガイNo.162が、本日で540日齢となりました(お知らせのタイミングとしては中途半端ですが)
孵化1年経過(365日齢)した頃と比べると、殻が形成されて、殻口にあったλ模様(矢印)から さらに4本 縞が増えました。
実は、鳥羽水族館では1995年からこれまでに通算162個体のオウムガイが孵化していますが、幼若個体の長期飼育はまだまだ難しいのが現状。
見ておわかりのように、162匹のうち1000日以上の飼育に成功しているのはわずか5匹 (全体の3%)
1000日以上生存した5匹を除くと、あとは全て500日以下なので彼らは飛び抜けた、まさに『5傑』(ちなみに各々の飼育条件はほぼ同じです)
オウムガイの孵化個体を飼育していると、ある一定の日数になると死亡率が高くなる、確かにそんな感覚があります…
孵化個体の長期飼育は、こんないくつもの見えない壁に阻まれているのかもしれません。
その中でも、ほとんどの個体が越えることができなかったのが、この500日の高い壁。
それを久しぶりにNo.162が越えたわけなので、嬉しさも ひとしお!(赤線)
これまでに500日の壁を越えた5個体は全て1000日以上の生存に成功しています。
No.162の長期飼育にもかなり希望が出てきました。
もちろん油断は禁物。
今以上に精進しなくてはいけません。
【飼育研究部 森滝丈也】