年末12月30日からはじまった、お正月イベント「おせちになっちゃう生きものたち」展 (12月30日~1月7日)
正月3日間限定の餅つき、餅ふるまいイベントも無事終了!
お正月イベントもちょうど折り返し地点です!あと少し。まだの方、ぜひご来館ください!
さて。
今回のイベントではおせち料理の素材となる魚介類の生きている姿を見ていただく水槽を3つ設置しています。
前回紹介したのが「おせち水槽」
イセエビや、アワビ、ナマコやウツボ(志摩地方ではふつうに食べるそうです)などこの地方のおせちには欠かせない生きものたちを展示しています。
そして今回紹介するのが…いくら水槽。
イクラは皆さんご存知、サケの卵ですね。
このサケの卵は北海道の「サケのふるさと千歳水族館」さんから分けて頂きました。
発生途中のサケ卵の展示は鳥羽水族館では初展示?かもしれません(少なくとも私にとっては初の試み)
実は、サケの卵が孵化までにかかる日数は「積算温度」から推定できることが分かっています。
積算温度とは卵を管理する平均水温を足していった(積算)値です(あるいは水温に日数を掛けた値)
サケだと、この積算温度がおよそ240℃になると卵に眼ができ、480℃になると孵化するそうです。
つまり10℃なら孵化まで48日、5℃なら倍の96日程度かかるというわけです。
12月に水族館に到着したときは既に眼ができていました。
タイミングがわからないまま、正月イベントに合わせようと水温を5℃にして様子見…
ところがイベント開始間近になっても大きな変化は見られないまま…
イベント開始間近!…焦る。
このままじゃ孵化の様子は見ていただけないかも…と少し水温を上げて12℃にしてみました。
そしてイベント開始。
…もう、すでに肝心の積算温度がどれだけなのかすっかりわからなくなっている状態です。
ところが。
実は、この卵は11月17日に受精させたもので、なんと、本日が受精から48日目。
しかもイベントのちょうど中間日だし。
ホントに偶然ですけど、狙った!ということにしておきます。
どーだ!(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】