ルーティンの合間に見つけると、ときめいてしまうのが内肛動物。
この飼育日記でもちょこちょこ紹介しています。
内肛動物は世界で150種類ほどが確認されているようですが、見つかっていない種類もまだまだ多いそうです。
お互いが細い根っこ(走根)でつながる群体性のグループと一つ一つが独立して生活する単体性のグループがあり、特に私が好きなのは単体性のロクソソマ科の方。
ですが、内肛動物であればそれだけでテンションMAX!!
先日も へんな生きもの研究所のオニオコゼを何気なく見ていて、群体性の内肛動物に気づきました(矢印)
探さなくてもふと目を向けた場所にいたりするので、もう、内肛動物に呼ばれている気すらしています(笑)
見つけたのは棘の先端あたり。
小さすぎて画像はボケてしまいました…ご容赦下さい。
どうやらスズコケムシの仲間(Barentsia sp.)のようです。うひょ~!
オニオコゼは生きているので、このスズコケムシの仲間もしばらく様子見…と思っていたら、なんとオニオコゼが急死。
死亡を確認した他のスタッフがオニオコゼを処分しようとしていたところに偶然遭遇。
(こんな小さな生物が付着しているとは誰にも知らせていません)
あやうくスズコケムシの仲間も一緒に処分されるところでしたが、セーフ!
ちょ、ちょっと待ってください~!と何とかスズコケムシの仲間を確保(笑)
種の確認のため顕微鏡で観察です。
あ…よく見かけるスズコケムシかと思っていたけれど、どうも違うわ、コレ。
スズコケムシは柄部の基部だけに筋肉節があってここを支点にして動きますが(車のワイパーみたいに)この種は柄部全表面に横しわがあり(矢印)柄の上半分をクネッと曲げる特徴的な動き。
色々と調べてみると、どうもアジモスズコケムシという種類によく似ています。
でも、アジモスズコケムシだとすると幾つか疑問も。
サイズが少し小型(高さ2mm)だし、触手の本数も少ない?柄部の筋肉節が大きめなのも気になるなぁ(矢印)
そもそもアジモスズコケムシが報告されているのは東北地方だしね。
魚の体表からの発見記録もないんじゃないかなぁ…(でも以前にもオニダルマオコゼの体表でも単体性内肛動物は確認したことがありますが)
とりあえず備忘録(アジモスズコケムシ類似種の確認)としてここに書き込んでおきます。
【飼育研究部 森滝丈也】