昨日は週に2回あるオウムガイの給餌日。
餌をつかもうと触手を伸ばしてきたのは水族館生まれのオウムガイP162(2015.4.25孵化)
ふと、あるものがチラリ。
これって、もしかしてあれじゃない?(気付いた私はちょっと興奮!)
実は、オスのオウムガイの口の左側にある3本の触手は成長に伴って大きく変形して「交接腕」になります(ちなみに交接腕とはオスがメスに精包を手渡すときに使う腕のこと)
交接腕は大きく目立つから性成熟に達したオスなら雌雄判別は簡単。
反対に、孵化して間のない若齢個体は交接腕が発達していないので、死亡後に殻から軟体部を取り出してペニスの有無を確認しなければ雌雄判別はできません(とこれまでは思っていました)
ちなみにペニスはこの画像で言えば漏斗の奥の方にあって、隠れているので生時の確認はほとんどムリ。
それが、孵化後わずか半年ほどで、見てすぐにわかる程度にまで成長していたとは!
ここまではっきりと交接腕が確認できるのなら、生きた状態でも若齢個体の雌雄判別は十分可能です。
ちなみに性成熟に達したオスの交接腕はこんな感じ(画像はオオベソオウムガイ)
他の触手とは全く違っているのがわかるでしょうか?
(特にこの個体は交接行動終了直後なので、興奮しているようで、交接腕が大きく伸びて目立っています)
少しグロテスクなぐらい(笑)
これまでの飼育データから、水槽内では性成熟に達するのがはやい(2年ほど)とは知っていましたが、孵化後半年ですでに交接腕が成長していたとは…
興味深いです。
【飼育研究部 森滝丈也】