先日お伝えしたように、オオグソクムシは無事に誕生し、今も元気に動き回っています。
今回生まれた18匹のベビグソたちは先に産み落とされた個体とは比べものにならないくらい状態が良好です。
やはりあの7匹は排除された弱い個体だったのでしょうか…
ともかくまずは一安心です。
母さんグソクムシは残念ながら死んでしまいましたが、これまで国内で報告された4例のうち、3例は孵化と同時期に母親が死亡しているようです。
もしかしたら、長期間保育して子どもを産むという行為は、生死をかけた想像以上にギリギリなものなのかもしれません。
さて。
もう一つ気になるのは、母さんグソクムシに付着していた深海性コケムシ。
こちらは生存していたので、昨夜、宿直の合間に母さんグソクムシの尾肢と頭部の外殻を取り外してコケムシを隔離しました。
(母さんグソクムシは貴重な標本として固定しました)
こちらは尾肢に付着していたコケムシ。
研究者に問い合わせたところTriticella flava という種類によく似ているそうです。
本種はアナジャコに付着していることがよく知られているそうですが、これまで日本からの報告はないそうです。私はオオグソクムシへの付着を2例確認しているので、報告がないだけで案外普通に見られるものなのかもしれません。
触手冠が開くとなかなか綺麗です。
もう一種、頭部に付着していたのがシメジヤワコケムシAlcyonidium mamillatum ではないかと思われるコケムシ。
同種と思われるコケムシはトリノアシ(ウミユリ類)でも確認しています。
https://aquarium.co.jp/diary/archives/10068
画像の右下に黒く見えるのがオオグソクムシの複眼(左目)です。
ん…この画像、どことなく「巨神兵」か「王蟲」の遺骸に見えるような…
深海性コケムシ2種は、冷蔵庫での飼育に挑戦します。
冷蔵庫の中は、深海ヒドロ虫、イトゴカイの仲間、そして深海コケムシ~