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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オオベソオウムガイの発生状況

ただいま、春休みイベント『動物の赤ちゃん大集合!!』が4月7日(日)まで好評催中です。

会場では展示していませんが、赤ちゃんつながりと言うことで、オウムガイの孵化近況です。

これは去年9月産卵分のオオベソオウムガイの卵です。

外殻を取り外した状態で、内殻のすきまからオウムガイの幼殻が見えています。ここまで成長したのは久しぶりのことです。

 

実はこの3年ほどオウムガイの孵化は途切れていました。

これまでにオウムガイが155匹、オオベソオウムガイが61匹が孵化しているのですが、何だか気持ちの上で一段落ついてしまって(完全に言い訳ですが)結果、途切れてしまった感じに…(ちょうど結果をまとめて発表する機会もありましたし)

それが、去年の年末に研究者と一緒に作業する機会があり、彼らの情熱に感化される格好でもういちど気持ちのネジを巻き直すことにしたところ、上手くいかなかった部分も難なくクリアできました。これが今の状況です。

このまま順調にいけば、6月か7月には孵化するはず。お楽しみに。私もワクワクしています。

 

そして、こちらは11月産卵分の卵の胚です(この胚は研究用に標本固定したものです)。この胚はまだ殻が形成されていませんが、目や腕(触手)、漏斗がすでにできはじめているのがわかるでしょうか。幅は3mmほどです。胚は刺激に対して反応しますが、実は、卵黄も動きます(形を変えます)。

あまり知られていないことでしょうが、観察していると丸い卵黄の胚のあたりがデベソのようにキュッと盛り上がるのです。

かなり大きな変化で、驚きます。

 

他のイカ・タコの卵でもこのような動きが見られるのかよく知らないのですが、興味深い動きです。

こちらもまた、何かの機会で紹介できれば、と考えています。

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