ナマコは古事記の中に登場するほど、古くからその存在が知られています。
古事記では、天宇受売命(アメノウズメノミコト)が海の大小様々な魚を集めて「お前達は天の神に仕えるか否か」と聞いたときに、ほとんどの魚が「仕えま~す」と答えたのに対して海鼠(ナマコ)だけは何も答えなかったそうです(空気が読めなかった?)。
それで「…おい、無視かよっ(怒)この口だから答えられないのかっ(怒)」と言って、小刀でナマコの口を裂いてしまった…
そういうことで今もナマコの口は裂けている(触手のこと?)とか。
…はい、完全な濡れ衣ですね(笑)
いつ聞いてもこのエピソードは私の涙を誘います。
ま、ナマコは再生能力が強いので、切られてもしばらく放置すれば元通り再生すると思われます。
もしかしたら、このあたりの特徴も含んだエピソードかもしれません。
ということで、本題いきま~す。
先日、肛門が2つあるマナマコが入館しました。
おそらく、体の一部に傷がついて再生異常がおこったものと想像されます。
過去にも口が2つあるナマコが入館したことがありますし、再生異常のナマコの採集例は時々あるようです。
今回のナマコの肛門は外から見た限りでは、どちらとも機能しているようです。
ナマコを握ると肛門から潮吹きのように水をピュッと出してきました。
マナマコは腸の後端(総排泄腔あたり)に呼吸樹という器官を1対持ち、肛門からそこに水を出し入れして呼吸します。
握って両方の肛門から水を出してきたことから、もしかしたら呼吸樹自体も2対(4つ)あるのかもしれません。
腸もつながっているのでしょうか?口は1つなので、途中でY字に分岐しているのでしょうか?
内部の構造も気になります。
追伸)このナマコは3階の日本の川水槽前、「特別展示室」でひっそりと展示しています。
あ、なすびはりゅー君が書いてくれます、たぶん。