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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

あばばい水槽

先日、1年3か月ぶりにサンゴ水槽のメタルハライド電球を全て新替えしました。

ビッカビッカです。まぶしくて目が痛いほど。

本当は1年ごとに新替えするのですが、今年は諸々の事情で交換が遅れました…

 

…って、使っているメーカーの電球が廃版になってたんだよぉ。

メタルハライド球は電流・電圧を調整する安定器が絶対必要なのですが、違うメーカーの電球と安定器は互換性がない場合が多く、最悪、使える安定器も一緒に交換しないといけない場合も…(かな~り高価)

今回は設備担当に何とか互換性のあるメーカーを探してもらって無事に交換できました!

 

もちろん電球だけでも十分高価なんですけどね。

その高いメタルハライド球(1000w)がこの水槽だけでが16個…

でも、電球は絶対に1年に1回は交換しなくちゃいけない。

 

ヒトの目から見れば、交換前でも充分な明るさに感じられますが、サンゴの声を聞けば徐々に光が不足してきているのは明らか。

毎年、電球を変えて1年近く経過するころには、サンゴが全体的にどことなく茶色くなって鮮やかな色が徐々に失われてきます。

 

それが、照明を変えると、数日で見違えるぐらいピッカピカの色鮮やかなサンゴに大変身!魚も生き生きしているように見えます。

実は、サンゴ(造礁サンゴ)は光合成をするために体の中に褐虫藻を住まわせているのですが、光が弱くなると光合成能力を上げるため、褐虫藻の密度を増加させるようなのです。

結果、サンゴ全体が地味に茶色く見えてしまう。

だから、強い光をあててやれば、褐虫藻が適正な密度に抑えられてサンゴの本来の鮮やかな色が目立ってくるわけ。

 

さらに、光が強くなれば、サンゴの色素自体も増加します。

 

サンゴの鮮やかな色のもとは「蛍光色素」と「非蛍光色素」ですが、「蛍光色素」には有害な紫外線を緑色の光に変換するGFP(緑色蛍光蛋白質)や、同じく有害な波長を赤い光に変換するRFP(赤色蛍光蛋白質)などがあります。

電球を新替えすると紫外線量が増えてこれらの蛍光蛋白質も増えるので、サンゴの緑や赤が鮮やかに映えるようになるのです。

 

一方の「非蛍光色素 」は例えばスギノキミドリイシの持つ青い色素などですが、これは強過ぎる光の一部をはね返して身を守るためのもの。

この色素も強い光をあてることでどんどん作られるので、結果サンゴは素晴らしく青くなるのです(特に浅海に分布するサンゴ)。

色鮮やかに変化したサンゴの水槽に潜ると、サンゴのワンワン喜ぶ声が聞こえてくるようで、潜っているこちらの気持ちが良くなるほどです。

これから冬にかけてどんどん色鮮やかになるので、機会があればぜひサンゴの色上がり具合を見に来てください。

 

最後になりましたが…タイトルの「あばばい」とは鳥羽の方言で「まぶしい」の意味です(笑)

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