先日、「ヒモムシを見たい」という5歳くらいの男の子からの呼び出しがありました。なんとも渋い。有望です!
聞けば、以前アリス館から出版された写真絵本『へんないきものすいぞくかん ナゾの1日』に登場した白黒模様のヒモムシが見たいそうです。
本種はフィリピンのセブ島からやってきたBaseodiscus属の一種ですが、残念ながら現在は展示していません。代わりに紹介したのが、水槽に勝手に居着いているこちらのヒモムシ(種類は不明)。
いつも無数の個体が絡まり合った団子状で、見た目はまるで『もののけ姫』のタタリ神のようですが、餌の匂いがすると一斉にほどけて動き出します。
ちょうど飼育日記で紹介しようと思っていたところだったので、良いタイミングでした。
お目当てのヒモムシではありませんでしたが、男の子もご家族も実物のヒモムシを見ることができて喜ばれていました。
実はヒモムシは、これまでの深海調査でもたびたび興味深い種が見つかっています。沈木から見つかったこちらは、研究者によって2022年に「ヒシモチヒモムシ」として新種記載されました。
また、昨年、尾鷲沖水深430mで水中ドローンにより採集した正体不明オレンジ色のヒモムシも種類を調査中。
本種には目が数多くあります。
普段はあまり注目されないヒモムシですが、小さな来館者のおかげでこうやって皆さんにもヒモムシの面白さを伝えることができました。
【飼育研究部 森滝丈也】






