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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ベトナムだけどタイワン

ベトナムだけどタイワン

企画展「大発見!ワクドキ深海アドベンチャー ~熊野灘から見る深世界~」(11月3日まで開催中)で公開中のタイワンダイオウグソクムシBathynomus jamesi

元々、本種に和名はなく、昨年、別の水族館で標本が公開されたときに、この和名が付けられました。これは、その標本の採集地が台湾近海であったことに基づいた仮称でした。

その後、当館で日本初の生体展示が実現することになり、改めて「和名をどうするか問題」が浮上しました。というのも、鳥羽で展示される個体はベトナム近海で採集されたものだったからです。
最初に本種が発見されたのは中国(海南島近海)ですし、台湾がこの種を代表する産地ではないことは知っていましたが、鳥羽水族館が独自に別の和名(例えばベトナムダイオウグソクムシとか)をつけてしまうと、同じ種に対して和名が複数存在するという事態が発生し、これはこれで混乱を生んでしまう…
そこで、混乱回避を優先し、鳥羽でも「タイワンダイオウグソクムシ」という名称を用いることにしたのです。
個人的には、「ジェームズダイオウグソクムシ」のように学名(人名)由来の和名であれば、産地に縛られることなかったと思うのですが… (Dr James K. Lowrys は著名な甲殻類研究者です)
まぁ、他の園館でも広く飼育されるようになれば、タイワンダイオウグソクムシの名も定着するでしょうが。
【飼育研究部 森滝丈也】
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