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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ウスクマサカガイが貝殻を付けた!

ウスクマサカガイが貝殻を付けた!

深海に生息するクマサカガイ類は、自身の貝殻に小石や他の貝殻を付着させる習性を持ちます。この行動は、「貝殻の補強」「カモフラージュ(擬態)」「泥に沈まないようにするため」など、いくつかの理由があるようです。

クマサカガイはまず拾った貝殻を自分の殻に仮止めし、その後、外套膜から分泌する貝殻成分でしっかりと固定します。しかし、水槽内でこの行動をすることはほとんどなく、実際に観察するのは難しいと思われます。

先日、この付着行動を研究している先生とお話しする機会がありました。私自身、この過程を見たことがなかったため、「観察は難しいですね」と返答したのですが、その数日後、水槽を覗くと、なんと飼育中のウスクマサカガイが落ちていた巻貝を自分の殻に付けているではありませんか!

ビフォーアフター

タイミングが完璧!まるで先生との会話を聞いてやる気を出したかのようでした(笑)

持ち上げて確認すると、付着した巻貝はまだグラグラで、まるで抜けかけた歯のようでしたが、2日後に再度確認すると、分泌された貝殻成分でしっかりと固定されており、予想以上に早く接着が完了しました。

全過程を詳しく観察できたわけではありませんが、貴重な生態の一場面に偶然立ち会えたことが非常に興味深かったです。

ちなみに、ウスクマサカガイはこんな可愛い顔しています。

【飼育研究部 森滝丈也】

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