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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ウミウシ・マイスタ-への道

最近、ベッコウヒカリウミウシが何匹かまとまって入館しました。

一般的にウミウシの仲間は種類によって食べる餌が異なり、また餌自体が簡単に入手できないものが多いので飼育がなかなか難しいとされています。

さて、こいつベッコウヒカリウミウシはいったい何を食べているのか。

 

グループ的にはコケムシあたりだろうと推測して、とりあえず手近にあったコケムシの仲間を放りこんでみたら…

ビンゴ!食べました。

後でネットで調べたらやはりフサコケムシなどを餌にしているようです。

いや~意外とベッコウヒカリウミウシの飼育は簡単にクリアできそうです。

ま、肝心のコケムシは探して確保しなきゃなんないですけどね。

 

このようにウミウシの餌は特殊なものが多い。

例えば、最近入館したハナデンシャ、こいつはクモヒトデを食べます。

以前は ちまちまクモヒトデを集めてきて与えていたのですが、今回は、底砂に大量のクモヒトデが増えて見栄えが悪くなった水槽に展示してみました。そうしたら、いきなりもうスッポスッポ食べまくり…数日のうちに食べつくしてしまいました。

大型のウミウシなのでかなりの大食漢です。

あぁ、また、どこからかクモヒトデを調達してこなくては…でも水槽の掃除には適役ですな。

 

こいつはレススラッグ。カリブ海産のウミウシです。

サンゴ水槽に生える海藻ハネモを食べます。ハネモは水槽の見栄えを悪くするのでハネモ退治で導入したのですが、期待と値段に反してこいつはあまり働きがよろしくないですね。…食べる速度が遅いっ。でも、ウミウシ自体がきれいなのでまぁ良いとしますか。

 

こちらはミカドウミウシ。大型で綺麗だし、スパニッシュダンサーの異名通り舞うように泳ぐ姿は見ごたえ十分。

でも、これまた餌は特殊でカイメンです。それもよく食べるのはクラトリナカイメンという種類(左 矢印)

このカイメンはサンゴ水槽の中でも勝手に育っているので比較的簡単に調達できるのですが、でも、岩陰に育つので潜水のたびに岩組を崩して岩ごと採集してきて与えなくちゃならない。なかなか結構な労働です…

 

深場にすむホクヨウウミウシの餌はウミエラ。画像は悪いですが、こんな感じでよく食べます(左:ウミエラ 右:ウミウシ)

ウミエラは軟らかなサンゴの仲間で深海底引き網で一緒に採れるので、乗船したときはウミウシの餌集めに奔走します(笑)

ウミエラ自体がなかなかきれいで展示生物にもなるので、一挙両得ですね。

でも、展示したらすぐに食べられてしまいますけど(笑)

 

他にも何種類かウミウシの展示をしていますが、中には何を食べているのか特定できないまま長期間飼育できている種類も。

こいつにはこの餌、などと特定できれば、さらに確実な飼育方法が確立できるのですが。

 

7月にオープンする「へんな生きもの研究所」でも展示予定のウミウシ。人気ありますからね、さらに調査・研究して展示できる種類を増やしていけるように努力してきます。

お楽しみに。

 

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