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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

カセミミズが入館しました

「カセミミズ」をご存知でしょうか?
原始的な貝の仲間(軟体動物)で、貝殻は持たず 細長いミミズのような姿をしています。大きな個体だと体長30㎝近くになり、体には茶褐色の地に黄色や緑色の斑紋があってどこか毒々しい印象も。

前端に口がありますが、目や触角はありません(頭部アップ↓) 原始的な軟体動物なので進化を考える上では非常に興味深い存在です。

海の中でヤギ類(腔腸動物)に巻き付いてそのポリプを食べているようですが、これまでに積極的に餌を食べる姿を見た記憶がありません。

 

これは以前飼育していた個体のフンです↓よく見るとヤギ類の骨片が混じっているのがわかります。

トゲナシヤギやアカヤギの骨片のようですが、カセミミズはヤギの仲間であれば、結構何でも食べるのかもしれませんねぇ。

でも、積極的に摂餌している姿ってあんまり見たことがなく、はっきりとした餌もわからないまま…

 

まぁ、もともと水族館に入館する機会も少ない生きものですしね(年に数個体捕れれば良い方です)。

 

先日、久しぶりに捕れたとの連絡を受けて、そのカセミミズが水族館にやってきました。

入館して1匹はすぐに死んでしまったのですが、もう1匹は安定していて只今、予備水槽でデビュー待ち。

 

今朝、水槽の中をのぞくと、一緒に入れておいたウミウチワを調子良く食べて(舐めて・削り取って)いました。

オレンジのポリプはすっかり食べられて、カセミミズのいるあたりだけ黒い骨軸が現れていました。

心なしかカセミミズも元気そうで肌ツヤも良い(良く見えます)。おぉ!こりゃ意外とウミウチワに対する嗜好性は高いかもしれないなぁ。

ウミウチワなら手に入りやすいし、このままうまく飼育できるかも。

 

飼育技術が確立したら7月にオープン予定の「へんな生きもの研究所」内でも展示する予定です。

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