テンプライソギンチャクは、ノリカイメンと共生する珍しい生態を持つイソギンチャクです。
生態(見た目)を上手く表現した和名はユニークですし、これまでのところ三浦(神奈川)、佐渡(新潟)、そして鳥羽(三重県)の3地点でしか報告されていないなど、展示生物としての話題性が高いので、鳥羽水族館では新種記載された2018年からずっと小型水槽内で展示しています。
ところが、皆さん、意外とその存在に気が付きません…
想像以上に小さいからか(高さ5-8㎜程)、カイメンから触手だけ出す想定外の姿だからか…。水槽の岩の周りをキョロキョロと探しておられるお客様の姿をよく見かけます。
あぁ、すぐ目の前に見えているのに…(そんな姿を見かけた時は付着場所を伝えるようにしていますが)
そこで、今回、水槽に「アイキャッチャー」を設置しました。いかがでしょう。
と言っても、視線を誘導するためにテンプライソギンチャクが見える場所(ガラス面)をテープで四角く囲っただけですが(笑)
ごく簡単な工夫ですが、これでテンプライソギンチャクの存在に気付くお客様が増えたように思います。
【飼育研究部 森滝丈也】