ダイオウグソクムシの標本公開当日の夕方、お客様がいつもより長い時間興味深く見ていましたよ…同僚からの嬉しい報告です。
鳥羽水族館の推しネタです。どんどん推していきますよ~。というわけで、ダイオウグソクムシ標本第2弾です。
これは随分前にも日記で書き込んだことがあるのですが…じゃ~ん!メスの乾燥標本なのです。あ、ダイオウだけどメスなのね(笑)
この標本は、残念ながら、今は一般公開はしていないので、Web限定特別お披露目です。
ダイオウグソクムシのメスは(オオグソクムシもそうですが)交尾後 脱皮すると第1〜5歩脚付け根にある覆卵葉という突起が大きくなり、重なり合って、卵と幼体を保護する育房となります(ゆりかごのような役割ですね)。
お気づきのように、この標本でも覆卵葉を見ることができます。つまり、このメスは直前まで子供を保護していたことが推察されるわけです。
もう一つ、興味深いことがあります。この標本に付いていた仮ラベルをご覧下さい。
ここには捕獲場所が記載されているのですが、フィリピンのミンダナオ島になっています。
実は、鳥羽水族館で飼育している生きたダイオウグソクムシはメキシコ湾で捕獲されたもの。大西洋産です。
一方、この乾燥標本は太平洋、フィリピン産。
調べてみると、ダイオウグソクムシは大西洋と北部インド洋が分布域と記述されており、どうやらフィリピン周辺にも分布しているようなのです。
それにしても、メキシコ湾とフィリピンって随分距離がありますよね。同一種の分布域としてはかなり離れすぎているような気もしますが…。
でも、深海は安定した環境なので、もしかしたら大西洋からインド洋までグルッと分布域がつながっていたりするかも…なんて想像するだけでわくわくしますね。
実は、地球の深海はダイオウ天国だったりして(笑)