今、とても興奮しています!この熱い思い、誰かに伝えたくて飼育日記を書いています。
久しぶりの飼育ウニ記(うにっき)です!
以前、紹介したヤドリニナに寄生された「鏡餅ウニ」Prionechinus forbesianusを覚えているでしょうか。
肛門を中心にぐるりと花輪のようにヤドリニナ2匹とその卵(卵嚢)に取り囲まれていたウニ。
死後確認すると通常のものとは異なり、殻には「肩のような」段差ができていた…
ヤドリニナに寄生されるとウニの殻が変形する、そんな報告例を私は知りません。
果たしてこれはヤドリニナに寄生されるといつでも起こる形態変化なのでしょうか?
ずっと疑問に思っていました。
さて。
先ほどへんな生きもの研究所で、先月採集したウニを何気なく見ていて、殻のわずかな異常に気が付きました。
わかりますか?肛門周辺(殻の頂上付近)の棘の立ち方が少しヘンです。
よく見ないとわかりにくいのですが、コイツもほんの「肩のような」段差がある…ような。
そして、拡大してよくよく見ると…やはり段差があるように見えます。
画像ではわかりにくい微妙な段差ですが。
これは、もしかするともしかします。
さらに拡大して棘の間を探してみると…おぉ!やっぱりです!
そこには小さなヤドリニナが一匹!
どうやら、貝が寄生するとウニ殻に形態変化が引き起こされる…少なくともPrionechinus forbesianusでは普通に起こりうる現象のようです。
今後、貝の成長にともなってウニ殻の変型が進むか、興味深いところです。
【飼育研究部 森滝丈也】