コーラルリーフダイビングゾーンにいるゴシキエビは、日中はお気に入りの岩陰(隠れ家)でじっとしていますが、夕方(5時頃)になるとそこから出てきて散歩をはじめます。この散歩には決まって、ある“お供”が付いてきます。
ゴシキエビの姿を見ると急接近する、この黄色い魚!シテンヤッコです。
この水槽にはシテンヤッコが3匹いますが、毎回、大き目の2匹がゴシキエビのおしりあたりにまとわりつきます。
ただ、実際は散歩のお供などではなく、どうやらゴシキエビの排泄物が目当てのようですが…。
執拗に肛門あたりをついばんでいます。
やはりゴシキエビも少し迷惑なのか、尾扇(エビの尻尾)を内側に曲げてガードすることも多いようです。
ただ、散歩自体が夕方のごく短時間だけなので、特に大きな悪影響があるというわけでもなさそうです。
シテンヤッコは自然界では付着生物やサンゴなどをつついて食べる習性が知られています。ヤッコ類としては比較的性格が温和で、他の同居魚と争うことはほとんどありません。
日中は広い範囲をゆったりと泳いでいるだけに、夕方になるとゴシキエビを追尾する姿は興味深く思えます。
自然界でもゴシキエビの尻を追いかけまわすことがあるのか、気になるところです。
【飼育研究部 森滝丈也】