先日、鹿児島で開催された学会から戻り、数日ぶりに水槽を見て飼育中のオオグソクムシの体の前半(第4胸節から前)が白く変色していることに気が付きました。
これは…脱皮の兆候かもしれません(ちなみに、この個体は1年9ヶ月ほど飼育していますが、このような体色変化は初めてです)
これを脱皮の兆候だと判断したのは理由があります。
皆さんは当館で飼育中のダイオウグソクムシ№5と№13が2016年の2月と9月に脱皮したことを覚えているでしょうか?
ダイオウグソクムシは、まず体の後半部を脱いで、しばらくしてから前半部を脱ぐ「二相性脱皮」をおこないますが、当時はダイオウグソクムシの脱皮は日本初記録(世界でも2例目)で、わからない事ばかりでした。
※ちょうど昨日、江ノ島水族館さんで脱皮(世界3例目)が確認されたそうです。
そんな中、前半部の殻が白く変化する不思議な現象が観察されたのです。
徐々に白くなって、この後、9月14日に後半部が脱皮。
それじゃ、近縁なオオグソクムシでも脱皮が近づくと同じように体の前半部が白く変色するのだろうか?ずっと疑問でしたが、確かな情報が見当たらないまま…
さて、オオグソクムシでも同じように、脱皮の前に体色変化が起こるのか?期待!
【飼育研究部 森滝丈也】