いつも紹介している無脊椎動物以外に、私はアフリカマナティーも担当しています。
1996年のアフリカ調査(捕獲・輸送)以来の関わりなので、すでに20年以上になりますが、そんな彼らの かわいい体のパーツのひとつが上唇です。
これを器用に動かして餌(牧草やレタス)をつかむ仕草に萌えます(笑)
水面に浮かんだ餌をつかもうと、上唇を広げてきます。この上唇の右側と左側は別々に動かすこともできるんですよ。
中央付近には太いヒゲがはえていて、上唇(吻端)で挟み込んだときに、餌をしっかりとつかむ役割があります。
口元に見える白い部分は「咀嚼版(そしゃくばん)」です。
マナティーの仲間は上アゴと下アゴに皮膚が硬くなった咀嚼板と呼ばれる器官があって、これと奥歯(臼歯)をつかって餌をすりつぶします。(前歯はありません)
この上唇はタプタプと絶妙にやわらかくて、動きの面白さだけでなく、むぎゅっと触れても気持ちいいんですよ(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】