前回の続きです。
熊野灘の水深300m付近に生息する「鏡餅ウニ(仮称)」
上下に重なる奇妙な習性を解明しようと、マーキングしなくても簡単に見分けがつく3組を隔離飼育して観察中。
果たして、この1週間で何か変化が見られたのでしょうか?
途中で離れるペアが出現するかと思ったのですが、予想に反して、何と、この7日間全てのペアがずっと同じ相手と重なったままでした。
ここまで結びつきが強かったとは…驚きです。
果たして、この先何日間「鏡餅」が継続するのでしょうか…?
ところで、このウニは小型個体が大型個体の排泄物を食べるために鏡餅になるのでは?と前回の飼育日記でお伝えしました。
このウニは海底の沈木を餌にしているので、小型個体は沈木を食べる機能が未発達なために、大型個体の上に乗っかってその排泄物を食べるのではなかろうかと…
仮説の検証はまだできていませんが、あらためて観察すると、このウニはかなり多量の糞(未消化な木片?)を排泄していることがわかります(矢印)
ちなみに、排泄を確認したのは大型個体だけです(小型個体は沈木に直接触れていないので当然なのかも知れません)
1週間分の糞を集めてみると、ほぼ小さじ1杯ぶん(5cc)もありました。
直径わずか1cm程度のウニ3個体が1週間でこれだけの量を排便するとは、驚きです。
【飼育研究部 森滝丈也】