現在、鳥羽水族館ではニューカレドニア周辺に分布するオオベソオウムガイNautilus macromphalus を4匹飼育中ですが、残念ながら全てオス。
はやくメスを追加しなければ…
さて。
今日、ふと見るとオス同士で交接(の真似事)していました。画像右の№95が№92をつかまえています。
引き離すと…おぉ!№95の交接腕がこれまでに見たことがないほど伸びているではないですか!
実は、オウムガイ類のオスは性成熟に達すると口の横側にある3本の触手(交接腕)が大きく成長します。この交接腕はspadix(スペイディクス)と呼ばれていて、これを使ってメスに精子(精包)を渡すわけです。
そして通常、教科書的には口の左側に交接腕があるとされています。が、なぜかこのオオベソオウムガイでは一定の割合で交接腕が右側にある個体を見かけます。今回の№95も右側にありますね。
通常、こういった左右性は変化しないはずなので、興味深いです。
ちなみに、現在飼育中のオオベソオウムガイでは、何と4匹のうち3匹が右・交接腕なので、割合としてはかなり高い。
フィリピン周辺のオウムガイ(Nautilus pompilius)では交接腕が右側にある個体なんてこれまでに見たことがないのですが…気付いていないだけなのでしょうか?不思議です。
【飼育研究部 森滝丈也】