先日 残念ながら死亡したタコブネは、標本にして ひとまず「へんな生きもの研究所」の棚に展示しました(左)
その隣には、以前入館(やはり1週間で死亡)した少し小柄な別のタコブネの標本もあります。
このサイズが小さな個体は殻も一緒に標本にしてありますが、今回の個体はひとまず軟体部だけを標本にしました。
それは、前のブログでも書き込みましたが、殻の中に卵が見つかったからです。
過去に何回か生きたタコブネが入館したことがありますが、卵を確認したのは今回が初めて。
そこで、しばらく卵の発生状態を確認する為に、今回の殻はそのまま水槽の中に入れておくことにしたのです。
殻を作るのはメスだけで、殻は卵を守るゆりかごの役目もあるそうです。
一般的に タコの仲間では、メスは卵が孵化するまで世話をして寿命を迎えます。
このタコブネもやはり寿命が近かったと言えそうです。
ただ卵の状態を見ると、孵化までもう少し時間がかかりそうなので、もしかしたらもう少し長く生かしてやれたのかも知れません。
タコブネの卵はタコの仲間の卵としてはサイズが小さく、おそらく孵化直後はプランクトン生活を送りそうです。
タコの孵化した子どもを育てることはかなり難易度が高いので(小型卵の場合は特に)このコ達を無事に育てることが出来るのかは、正直わかりません。
でも、この魅力ある生物についてもっと知りたいので、観察を続けていくことにします。
また進展があればお知らせします。
【飼育研究部 森滝丈也】