先日の深海底引き網漁で捕れたクマサカガイの仲間2個体を へんな生きもの研究所でひっそりと展示しました。
クマサカガイは自分の殻の上に貝殻や小石などを付着させる習性を持つ巻き貝です。
なぜ貝を付着させるのか?
理由は「貝殻の補強」「カモフラージュ」「泥に沈み込まない為」などなど諸説あるようです。
面白いのは、二枚貝を付着させるときは必ず貝の内側を上に向けること。
これは内側(裏)を向いていれば死んだ貝だとすぐにわかり、魚などの外敵に襲われにくいからだとか(本当?)
ちなみに細長い巻貝を付着させる場合は細く尖った方を付着させるそうです。
軟体部をよく見ると、ゾウの鼻のように長い吻とつぶらな瞳…
お!なかなかカワイイ。
こちらの個体は軟体部の色が淡いな…別種かも。
そんなクマサカガイは急深な斜面やくぼ地を好んで棲んでいるらしい。
貝殻や小石が集まりやすい場所なのだろうね。
そして、自分の貝殻に貝や小石を付着させるときは、かっちりと接着するように長い吻を使って貝や小石の表面を丁寧に掃除するそうです。
で、完全に固着するまでに時間がかかるから、その間はじっとしているとか。
深い海の底で静かにそんな事をしているなんて、想像するだけで、愛おしく思えてくるな…
また、クマサカガイは個体によって付着させるものにこだわり(傾向)があるようです。
小石が多かったり、貝殻が多かったり…
ちなみに最初に紹介したこのクマサカ1号は、何やらブローチみたいなかっこいいモノを付けている。
どうやら、これは有孔虫の仲間…。
有孔虫とはアメーバに似た石灰質の殻と仮足を持つ原生動物のグループで、深海の砂の中でもよく見られます。
アクセントが効いたデコレーションのクマサカ1号は なかなかのオシャレさんやね(笑)