昨年の12月に尾鷲沖水深200-300mで採集した正体不明タコ。まだ種類はわかりません。
さて、そんなタコですが、先日、水槽のガラス面に張り付く姿を見かけました。
ここで違和感を覚えたあなた!なかなかの観察“眼”の持ち主ですね。
わかりやすいように、画像を横向きにして比較してみます。いかがでしょう?
そうです、体に対する眼の瞳孔の向きが違いますね。
実は、タコの瞳孔は水平方向のスリット状になっていて、体の向きに関係なく常に水平に保たれます。
それで、ガラス面に付着したタコの瞳孔はいつもと違う向きになっていたのです(水平になっていた)
瞳孔を水平に保つことで、タコは周囲の景色を安定して見ることができ、捕食や逃避行動に有利に働くと考えられています。
この機能はどの種類のタコでも同じです。こちらはマダコ。
マダコが隠れていた塩ビパイプを立てて、水面から撮影してみると…
やはり瞳孔が水平になっていますね。
【飼育研究部 森滝丈也】