前回の飼育日記で一部、間違いがありました。
「先住のパラオオウムガイ№105(オス)が興奮していきなり交接したのは、オスの№117だった…」と書き込んだのですが…
すみません。№117はオスではなくて、ちゃんとメスでした(搬入時に聞いていた性別を鵜吞みにして確認していませんでした)。
という訳で。
オウムガイの雌雄判別ポイントのおさらいです。実際、慣れれば簡単です。
まず、触手が違いますね。左がオス。成熟したオスは口の左側に球根のような交接腕が発達します(画像はイレギュラーな個体で、右側にありますが)
次に軟体部と殻の間を覗くと、成熟したメスは奥に黄褐色の包卵腺が見えます(矢印)。
他にもいくつか判別ポイントはありますが、この2点だけ押さえておけばバッチリです。
さて。
給餌していると今度は新入りのオス(№116)とメス(№111)が交接し始めました。
交接とは「交接腕を使って精包(精子)をメスに渡す行動」のこと。
今は理由あって繁殖をセーブしていますが、気になったので交接終了後にメスの口元を確認しました。
実は、メスは交接時に精包を口の下側にある部分(ヴァランシエンヌ器官)で受け取るのです。
すると、№111のヴァランシエンヌ器官にも№116から受け取った精包の中身がしっかり確認できました(矢印)
水温を少し下げているので、産卵しないかもしれませんが、したらそのタイミングで受精すると思われます。
【飼育研究部 森滝丈也】