去年10月に尾鷲沖水深230mで採集したオオグソクムシの腹肢にウスエボシガイの仲間が付着していました(エボシガイ類は固着性の甲殻類の仲間です)。
ウスエボシガイの仲間はカニなど甲殻類に付着する習性が知られていますが、オオグソクムシに付着する種類はこれまでに報告がないようです。これからぼちぼちと種類を調べていく予定です。
このウスエボシガイは、柄の太さが特徴的で驚かされます。まるで、こけし、みたい(笑)
また、このエボシガイは過去に2014年と2016年にも採集していますが、これまで確認した3例共、メスのオオグソクムシ、それも自身の幼生を保育中か終了直後の個体の腹肢に付着していました。
不思議ですね。
おそらく、オオグソクムシは幼生を保育している間は脱皮しないので、そんな相手に付着すれば、長い期間、脱ぎ落されることなく、付着することができます。
その結果、人の目に付きやすくなっているのだろうと、予想しています。
【飼育研究部 森滝丈也】