先日、横浜で開催された第61回水族館飼育技術者研究集会に参加しました。
今回は少し頑張って「熊野灘漸深海帯の無脊椎動物相解明の試み」と「飼育下におけるダイオウグソクムシの脱皮について」の2題を発表(全部で19題の研究発表と5題の話題提供がありました)
これまでに飼育日記でお伝えしていますが、今、三重県の熊野灘の漸深海帯にどんな無脊椎動物がいるのか明らかにしようと取り組んでいます。これまでに確認した無脊椎動物は種名のわかるものわからないものひっくるめて、この3年間で262種にも達しています。
この中の名前がわからない生きものについて館外の研究者と協力して調べています。
採集した生物の中に見慣れないものがいればその都度記録していますが、今朝も正体不明さんを見つけました。
それは、先日入館した「クマサカガイ」の殻の上…
クマサカガイは自分の貝殻に海底に落ちている貝をくっつける習性を持ちますが…そこに見慣れない2種の生物が付着しているのを見つけたのです。
中でもこのヤドカリには驚きました(笑)
クマサカガイにくっついた貝殻の中に入っていますよ。空き家(貝)だと思って引っ越してきたのでしょうか。あるいはクマサカガイに強奪されたのか。
完全に逆さになっています。
これは居心地悪そうだわ…(笑)これまでに見たことがないヤドカリなので、これから調べていきます。
もう一つは、ホネナシサンゴの仲間。
ホネナシサンゴの仲間は骨格を持たないのでイソギンチャクに似ていますが、体のつくりはイソギンチャクよりもサンゴ(イシサンゴ)の仲間に近いグループです。
熊野灘漸深海帯からホネナシサンゴの仲間を見つけたのは、今回が初めてです。
【飼育研究部 森滝丈也】