飼育員という仕事は、とても魅力のあるお仕事です。
魅力を言葉で伝えるのは難しいけれど、
動物たちと一緒に日々成長したり、
時には一緒に遊び、喜び。
時には思いが通じ合わなかったり、落ち込んだり。
別れがあったり、そしてまた出会いがあったり。
呼吸をするように、喜怒哀楽を動物たちと共にする瞬間。
そんな日々に、ぼくは、この仕事の”本当の価値”をみいだしている途中の半人前です。
ある日のこと、セイウチのツララが、
急にエサを食べなくなりました。
1日だけではなく、、、
1日、また1日とご飯を食べない日が続いていきました。
見た感じは元気そう、排便もしているし、おもちゃで遊ぶこともあるし、眠ることもある。
疲れてはいなさそう。だが、大好きなエサは食べない。
原因は、いくつか心当たりはある。
が、言葉で会話をする事はもちろん出来ず、選択肢を絞ることだけ。
ここから始まるのは、試行錯誤、飼育員と動物の見えない綱引き。
ツララはいま、どんな気持ち、どんな体の状態、何がしたいのか?
こちらにはなにを求めているのか?
あの手この手を使って、対応していく。
だがエサは食べない。
動きは元気だが、痩せていく体を見て、このままではまずい。
セイウチ担当者はこぞって、ツララの思考を探る。
ある日のこと、ベテラン飼育員があるモノを持ってきた。
つづく、、、
【いま】