それは年末の飼育日記…
お正月イベントの「おせち水槽」でイソウミウシを見つけたと書き込みました。
「(前略)…先ほど、水槽のイセエビとウツボに餌を与えようと水槽をのぞき込んだ瞬間…小さな生きものに視線がロックオン!見つけたのは体長5mmほどのイソウミウシ。可愛い!…(後略)」
きちんと確かめないままイソウミウシだと思い込んでいたのですが、今朝、知り合いの博物館の方(ちりもんで有名な岸和田の博物館です)からご指摘いただきました。
どうやら、あれはイソウミウシではなくOnchidoris depressaという種類の(あるいは近縁の)ウミウシだそうです。
そうだったのか、いやぁ勉強になりました。
このOnchidoris属のウミウシは北方系の種が多いとのことですが、この種は大阪湾でも見つかっているそうです。
コケムシ食のウミウシなので、今回見つかった個体はアワビの殻に付着したコケムシ類を食べていたのかもしれませんね、とのことでした。
ちなみにこのウミウシはダイバーさんのブログなどでは時々紹介されていることもあるそうですが、この方の感覚としては激レアなウミウシだそうです。
へんな生きもの研究所のタコノマクラ水槽に収容したのですが、あれ以来再会できていません。
もう一度見たいなぁ。
イソウミウシとの見分け方も教えていただきました。
イソウミウシは背面に微小な突起が顕微鏡で見ないとわからないぐらい密にはえているのに対して、O. depressaはひょろ長い突起が比較的ばらつきながらはえているそうです。また、背面に赤褐色の細かい点が散在しているのもこのウミウシの特徴だそうです。
今回、ウミウシの種名が判明したことはもちろんですが、飼育日記を通じて博物館や研究者から情報が寄せられたことを嬉しく感じています。
【飼育研究部 森滝丈也】