昨年末、三重県尾鷲沖の熊野灘、水深300mで捕獲された小さなコシオリエビが入館しました。
甲長8ミリほどですが、鮮やかな紅白模様がインパクトある、なかなかの美種。
おまけに、専門家に問い合わせると、新種の可能性があるとのこと。
いやぁ、熊野灘の深海にはまだまだ未知の生物がいますね。
左のハサミ足が欠損していますが、状態は良かったので、公開日を心待ちにしていました。
ところが。
今朝予備水槽をのぞいて焦りました…
え、紅白コシオリエビがいない…
私は昨日(水曜日)は公休日だったので昨日の出勤者に確認したのですが、どうも昨日は誰もコシオリエビの姿を確認していなかったようです…
火曜日の夕方にはいたのに…
脱走したのか…?
しばらくガサガサと家捜しして、数時間後…
もう一度探そうと、コシオリエビのいたザルの中をのぞくと…
一緒に入れていたキンシサンゴの口の中に…
紅白の脚が…あぁ
しまった…
まさかキンシサンゴに食べられるとは。迂闊でした。
特に危険な様子に感じなかったので油断していました。
すぐに、なんとかキンシサンゴの胃腔内から残骸をかき集めましたが、時すでに遅し。
新種だったかもしれないコシオリエビは幻となってしまいました。
申し訳ない。
また、いつか深海底引き網で採集できますように…