先日、出社すると今シーズン2匹目のパラオオウムガイが孵化していました。
…私の予想はまたしてもハズレ。
孵化まであと1週間ほどかかると思ったのですが…
さて。
海洋生物のデータベースWoRMS(国際海洋生物種目録)によると、現在、オウムガイの仲間は7種類に分けられています。
その内訳は…①唯一のAllonautilus属、憧れのヒロベソオウムガイ②もっとも広い地理的分布を持つオウムガイ③冬季は水深10ⅿで遭遇することもあるニューカレドニアのオオベソオウムガイ④オーストラリア東海岸に生息するコベソオウムガイ
そして、2023年に新種記載されたばかりの⑤アメリカ領サモア⑥バヌアツ⑦フィジーに生息する3種を加えて7種。
ここで、あれ?パラオオウムガイは…?と思ったあなたは鋭い!
実は、パラオオウムガイは遺伝子を調べるとオウムガイに内包されてしまい、WoRMSではパラオオウムガイはオウムガイの地域内変種の可能性があると判断されています。
少しビミョーな立ち位置です…
が、殻が(特に孵化個体では)大きく異なるので、私自身は独立種だと信じていますよ。
こちらは、過去に孵化したパラオオウムガイ(175日齢)と
オウムガイ(341日齢)
殻の中央にあるヘソ(臍孔)の違いがわかるでしょうか?
ちなみに、子供のうちはオオベソオウムガイ(下画像 252日齢)よりパラオオウムガイの方がヘソが目立っています。
【飼育研究部 森滝丈也】