仕事の合間に、時間を見つけて深海底引き網で採集したナマコの種類を調べています。
8種類ほど採れたのですが、名前がなかなかはっきりしない。例えばこのナマコはハダカナマコかなぁ…ナマコは外見だけでは判りづらいので、切り取った体壁を水酸化カリウムで溶かして骨片を観察します。
ナマコの仲間は体壁や触手、管足に微小な骨片を持ち、その形が分類の指標になるのです。
ところが、このナマコは体表にまぶしつけるように多量の砂粒を付ける種類で、その砂を十分に落とさないまま処理してしまったので、砂と骨片が混じってしまって何が何やら…そんな多量の砂粒の中から骨片を探していて、ちょっと面白いものを見つけました。
直径0.5mmほどの有孔虫の仲間です。オウムガイの殻みたいで、なかなか美しい。
思わず、いくつか集めてしまいました。
で、肝心のナマコの骨片は?…と言えば、これです。棒状骨片と直径0.1mmほどの輪状骨片(他にも何種類かありました)。
これも繊細で美しいですね。
でも確か、ハダカナマコの仲間は輪状骨片を持たなかったような…
輪状骨片を持つのはカンテンナマコやハゲナマコの仲間だったよな…ということで種の同定にはもう少し精査が必要なようです。
また後日。