このたび、京都大学の研究者と取り組んだクシエライソメ の生態に関する論文が出版されました(私はサンプル提供と生態観察を担当)
ゴカイの仲間(環形動物)です。
クシエライソメは5年ほど前に尾鷲沖水深300mで採集したもので、当時はへんな生きもの研究所でも生体展示をしていましたが、現在は飼育していません。
この仲間(ナナテイソメ科)は自ら分泌した糸と周囲の堆積物を用いて筒状の巣を作ることが知られていますが、その中でも、クシエライソメは巣材に必ず落ち葉を使うことが今回の研究で明らかになりました。
落ち葉で懸命に巣作りする動きはかなり可愛く、激推しです。
落ち葉は陸上から河川によって深海まで運ばれたものですが、深海生物が陸上由来の資材を利用しているなんて、驚きですね。
山と海の繋がりを実感します。
また、この落ち葉は巣材だけでなく、餌としても利用していることが、飼育観察を通じて明らかになりました。
こちらのニュースは京都大学のHPでも紹介されているので、興味ある方はこちらもどうぞ(外部リンクです)深海で落ち葉を紡ぐイソメの生態を解明―河川流入した照葉樹落葉を巣材と食物に利用― | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)
【飼育研究部 森滝丈也】