ウミグモの頭部には4対の付属肢があります。
➀餌などをはさむための鋏脚 ➁触角の役割をする触肢 ➂卵を保護したり体のグルーミングに使う担卵肢 ④歩くための第1脚。…いや、どうして歩脚が頭から生えるのか(笑)
その1番目の付属肢である鋏脚は、ヤマトトックリウミグモの成体では動かすことができず、役には立っていないと考えられています。
幼生(子ども)の頃は動かすことができますが、成長の過程でその役割を失うようです…こういう器官って萌えますね。もしかしたら知られていない役目があるのかもしれませんが。
2番目の付属肢である触肢はヤマトトックリウミグモだと10節あり、6節目で大きく曲がります。ちょうど大きな吻に沿うような形をしています。
触肢は餌を探す時に前方に向き、ちょうど口元から触角が伸びているような格好になります。
そして、餌を食べる時(イソギンチャクに吻を突き刺す直前)横に広げるようです(イソギンチャクに飲み込まれないように?)
こんなウミグモの体のつくりは、他の動物には見られない特徴的なもので私の好奇心をくすぐります。
【飼育研究部 森滝丈也】