前回お伝えした固着性クラゲ「リプケア」
どのくらい超絶珍種なのか…ぜひ「リプケア」で検索して確認してみてください(笑)
さて。
今回は同じ水槽にいるテヅルモヅルの話題です。
セノテヅルモヅルの成体に時々幼若個体が付着していることがあります。
本当の親ではなくても成体であれば取り付き、成体から餌を横取りしているようです。
また、取り付いている間は他の個体へ移動することは滅多になく「同種間の寄生」のような行動に思えます。
私はこの行動を勝手に「すねかじり行動」と呼んでいます。
2012年の秋に入館した幼若個体「モヅ子ちゃん」は、取り付く相手(成体)が死んでも別の相手に取りつき、すねかじり行動を丸2年継続中。
今取り付いている相手で5代目になります。
ちなみに過去の個体は皆死亡しています(すねかじり行動の影響ではないと思いますが)
水槽で展示しているセノテヅルモヅルは全て鳥羽湾のものですが、イセエビの刺網で捕獲されます。
イセエビの漁期は4月までなので、しばらくはセノテヅルモヅルは入館しません。
先月、シーズン最後のセノテヅルモヅルを3匹頂いたのですが、これが全て「モヅ子ちゃん」と同サイズの幼若個体でした。
もしかして、このコ達も「すねかじり行動」を見せるかもしれないとへんな生きもの研究所の水槽に入れてみたのですが…
全く、そんな行動をとることはなく、完全にそれぞれが独立生活…
あれ?予想外です。
「すねかじり行動」は体サイズによるものではなく、行動を取るか取らないかには個体差があるのでしょうか…?
ちなみに、2年以上すねかじりしているモヅ子の体は成体に付着している側が変形して少し平らになっています(写真では判りにくいですが)
そして、こうやって写真撮影で成体から取り外しても、水槽に戻せばモヅ子はまた成体にしっかりと掴まり、「すねかじり行動」を再開します。
やはり、「すねかじり行動」は個体差なのでしょうか?
そしていったいいつまで継続するのでしょうか?
【飼育研究部 森滝丈也】