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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ウオビル

最近、「キモチワルイ」と「そうでない生きもの」との境界線がよくわからなくなっています(笑)

で、とりあえず今回は「こんなネタ(画像)まずいかなぁ?」と新人Yさん(女性)に確認してみました。

すると…

「もりたきさんの日記を読む人は気持ち悪い生き物が好きだから、大丈夫ですっ!」

と、ヘンな太鼓判押されました。じゃぁ、アップしちゃいますね(笑)

 

今回は寄生虫ネタ。魚に寄生するヒル「ウオビルの仲間」です。

ウオビルの仲間は、水族館にやってくる魚にも時々付いていたりします。魚の体液を吸うのでたくさん付着すれば大きなダメージを与えますが、1,2匹付着しているだけだと魚も案外平気そうに泳いでいます(もちろん、増殖するとまずいので駆除しなければいけないのですが)。この魚は胸ビレのあたりにくっつかれています。

くっついていたウオビルの仲間がこれ。

体の後端に吸盤があって、これを使って魚にしっかりとくっついています。

 

ウネウネした生きものが好きな私は、こんなウオビルの仲間もやっぱり好きなのですが、調べてみるとこの仲間はあまり研究が進んでいないグループなんですね。

日本では現在20数種類が確認されていて、多くは硬骨魚を寄主とするようですが、以前、漁業者からの連絡を受けて採集したこいつ↓はマダコに付いていました。

「マダコに変な虫みたいなものがたくさんついているんやけど…」連絡を受けて生簀の中をのぞいてみたら、ありゃ本当、マダコの胴体にたくさんのウオビルがピコピコピコピコ…伸び縮みしているじゃありませんか。

見てすぐにウオビルの仲間だとわかったのですが、ウオビルがタコに寄生するなんて聞いたことがなく、とりあえず「サンプリング、サンプリング…」とピンセットを使ってマダコから引き抜いて標本固定しました。

改めて調べてみると、軟体動物であればマガキ(牡蠣)に寄生する種類はいるようですが、やはりマダコに寄生するという報告例はないようです。

う~ん、ウオビルの仲間はまだまだ新発見が隠されていそうで興味深い存在です。

 

そんなウオビルですが、今日の昼過ぎに、先ほどの新人Yさんがウオビル(の仲間)の卵を見せてくれました。

ウオビルは、産卵時になると寄主から離れて水底の岩などに卵を産み付けるそうです。

水槽の中に入れた塩ビパイプにも産み付けるので、これをきれいに掃除することで、水槽内での増殖を防ぐのです。

Yさんが見せてくれた直径1㎜ほどの卵は(魚にとってやっかいものではありますが)なんだかきれいで、次はウオビル・ベイビーを見てみたいと思わせてくれました。

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