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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ナマコ萌え

先日、磯観察に出かけてきたと書き込みましたが、ヒメヒトデ採集以外にもう一つ目的があったのです。

それは、これ。

手に乗せているのは、ナマコの仲間です。

今回はこれも採集したかったのです。

実は、このナマコ、10年以上も前にも私は鳥羽の海岸で見かけているのですが、当時の私には正体不明でした。

見つけたのは岩の中。岩を割るとその中に隠れるように潜んでいました。

背をU字に曲げて口と肛門を岩の穴から外に出して、じっと動きません。そんな習性も面白いと思えて、ナマコ分類の研究者に種類を問い合わせました。

…でも、結局、種類ははっきりとせず、名前(学名)が決まっていない未記載種である可能性も出てきました。

Ocnus sp.(オクヌス属の一種)というところまでは分かったのですが…

まぁ、ナマコ分類の研究者は少ないので、正体不明のナマコなんてそれほど珍しくはないのですが。

それが10年以上前のこと。

既に種名は付けられているかも知れませんが、もう一度、きちんと調べてみようと、今回採集してきたのです。

ナマコの分類は、体壁の小さな骨(骨片)の形が大きなヒントになります。

採集してきたこのナマコも固定して骨片を取り出すつもりで、とりあえず予備水槽に入れておきました。

それが今日になって、ふと、水槽の中をのぞくと…

何と!水槽の中に転がっていた小さなガラス瓶の中に勝手に入り込んでいるじゃありませんか(笑)こんな感じ。

自然の岩の中と同じように、小さな瓶の中でギュッと背を曲げて、口と肛門を瓶の外に向けています(中国の雑技団にこんな演目があったような…)。

適当な空間に気付いていつものように入り込んだのでしょうねぇ。

その姿、なんだか健気でカワイイじゃありませんか(ナマコ萌え?)

そして、一旦こんな風に感じてしまうと、このままアルコールで固定してしまうのは忍びなくなり、とりあえず様子を見ることに…

(いや、この瓶は元々、標本瓶なんだし、このままアルコールを入れちゃえば、良いんですけどね…)

【訂正】…と、昨日の日記に書き込みましたが、上記のナマコはOcnus sp.ではなく、イソナマコ Holothuria(Mertensiothuria) paradalisであることが判明しました。お恥ずかしい…。失礼しました。Ocnus sp.はもっと小型です。というわけでリベンジの磯採集はまた後日。ちなみにOcnus sp.の骨片はこんな形。直径0.1㎜ほどです。

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