先日書き込んだ熊野灘の水深300mで採集した謎の「黄色い球」(2つ採集できましたが、こちらは採集時に既に中身が無かった方です)
黄色い球の正体は依然不明…
黄色い球が付着しているツノガイの貝殻の中にはホシムシの仲間が住んでいました。
昨年採集したものも同様でした。
…ということは、アイツも見つかるかも。
アイツとは、このホシムシの体表(吻の体表)に共生していた内肛動物(おそらくロクソソマ類)。
昨年はロクソソマ4-5個体がホシムシの体表で見つかりました。
実物を目にする機会は少なく、研究者もほとんどいないマイナーなロクソソマ類ですが、この飼育日記では時々紹介しています。
ダイオウグソクムシに付着するロクソソメラやオニダルマオコゼに付着していたロクソミトラなどなど…
以前、研究者に問い合わせたときに「このマイナーな生物でこれだけの観察をされる方はなかなかいません。かなり色々と観察されていることとお見受けいたします」との返事を頂いたことがありますが、個人的に非常に好きな動物群なのです。
このホシムシで見つかったロクソソマは高さ0.1-.02mmほど(小さい!)
さっそく、今回採集したホシムシを観察してみます。
ホシムシは吻を出し入れするので、詳細の観察はなかなか難しい…
が、おぉぉ!
やっぱりいました!興奮MAX! 見るだけでテンションが上がります。この感情はもうほとんど恋(笑)
前回と同じくロクソソマはホシムシの体と吻の付け根あたりに付いていたので、やはりこのあたりに共生するものなのかもしれない…と思っていましたが、ホシムシがスルスルと吻を伸ばしきった瞬間、驚きました!うわっ!先端にめちゃくちゃたくさん付着している(興奮!)
ホシムシが動く上にロクソソマは小さいので、写真はボケボケですが、これは興味深い。
観察は続けます。
【飼育研究部 森滝丈也】