今年6月、名古屋大学菅島臨海実験所から譲り受けたテンプライソギンチャク。
へんな生きもの研究所で展示を始めて、もうすぐ5か月になります。
テンプライソギンチャクはノリカイメンの一種と共生する珍しいイソギンチャクで、カイメンに包まれた姿がエビの天ぷらに似ていることが名前の由来です。
さて、その近況ですが…実は群体がかなり小さくなってしまいました。↓現在の姿↓
実は、イソギンチャク以上に、「天ぷらの衣」であるカイメンを長期間維持するのが難しいのです。飼育を続けていると、どんどん萎縮してしまいます。飼育は長くても1年程度。
今年の群体もすでに「風前の灯火」…。でも何とか展示は継続中。
実は、本種にはもう一つ興味深い習性があります。それはイモムシのような姿になって這いまわる無性生殖です。↓2013年搬入個体↓
イソギンチャクの体の下部がちぎれて団子状になり、やがて細長いイモムシ状の「匍匐個体(ほふくこたい)」に変化します。そして別のカイメンにたどり着くと、そこに潜り込んで再びイソギンチャクの姿になるのです。↓2018年搬入個体↓
先日、目を凝らしてこの匍匐個体を確認しました。
カイメンが萎縮したので、新しい住みかを探して移動しようとしているのかもしれません。
飼育はなかなか難しいのですが、こうした不思議な生態を観察できるのも水族館ならでは。
何とか長期飼育につなげたいと思っています。
【飼育研究部 森滝丈也】






