ヒトデの体に、もうすぐ3年になる「居候」がいます。
2024年1月に熊野灘で採集したニチリンヒトデの裏側、歩帯溝にいるのがスイクチムシ類の一種 アステロミゾストマムAsteromyzostomum sp.です。見た目はキクラゲのようですが、実はゴカイなどと同じ多毛類に属します。このグループ(1科1属)は、これまでに 北極から3種、南極から1種 が記載報告されているだけという非常にレアな生きものです。
この仲間は筋肉質の咽頭をヒトデの体壁に差し込んで、宿主の体腔内の物質を栄養源にしていると考えられています。ただし、寄生によってヒトデがどれほどの負担を受けるのかは、よくわかっていません。今もニチリンヒトデは元気です。
アステロミゾストマムは移動することなく、すっと同じ場所にとどまって生活します。
そもそも、深海に生息するため、この仲間が何年生き、どのように成長し、いつ繁殖するのか等々、詳しいことはほとんど知られていません。




2026年10月18日
この小さな居候を観察し続けて2年7か月。野外では同じ小さな個体を何年も追いかけるのは困難ですが、水族館ではそれができます。
派手に泳ぐことも目立つ動きを見せることもありませんが、長く観察するほど愛着が増していきます。
※1枚目の画像は以前採集した別個体のものです。
【飼育研究部 森滝丈也】






