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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

重ならないカガミモチウニ

重ならないカガミモチウニ

へんな生きもの研究所で飼育しているカガミモチウニが順調に成長し、最近では毎日のように「鏡餅」状態が見られるようになりました。

下がメス、その上にオスが重なるこの行動は、カガミモチウニならではの面白い習性です。

ところが、その中に少し気になるオレンジピンク色の個体が一匹います。

サイズ的には成熟したメスと思われる個体ですが、他が重なっている横で、このコだけはなぜかいつも単独。その姿を見かけるたびに、「なぜだろう?」と不思議に思っていました。

もちろん、たまたま相性が合わないだけかもしれません。でも、何だか気になります。

実は、現在「カガミモチウニ」と呼ばれるウニの中には、オレンジピンク色とは別に、微妙に雰囲気が違って見える赤褐色タイプがいます(展示のほとんどはこの赤褐色タイプ)。

現在、この体色の違いは個体差と考えられ、同種として扱われていますが、単独行動を続けるオレンジピンク色の個体を見るたびに「本当に同じ種なのだろうか」と考えてしまいます。

もしかしたら、これが外見では区別できない隠蔽種だったとしたら、オスが反応しないことにも説明がつくかもしれません。

もちろん、現時点では単なる仮説です。行動だけで種を判断することはできません。

それでも「小さな違和感」は、とても大切だと思っています。

あの一匹だけ単独で過ごすメスが、何か大きな秘密を教えてくれる日が来るのかもしれません。

【飼育研究部 森滝丈也】

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