先日のタイシャク氏の日記を受けて、既にツイートでも書き込んだのですが…
ウニの口器(咀嚼器官)は「アリストテレスのランタン」と呼ばれます。
これは古代ギリシャの哲学者であり、科学者でもあるアリストテレスが、ウニの口器を見て「これ、ランタンみたいやん」と言ったのが由来らしいです。
ブンブク類以外のほとんどのウニが「アリストテレスのランタン」を持っているのですが、今まで見た限りでは、このパイプウニのがずば抜けてサイズが大きいようです。
今朝、予備水槽でパイプウニが死んでいたので、棘と殻の一部を取り除いて中身が見えるようにしてみました。見て下さい、殻に対する口器の、この大きさ!
繁殖期ではないので生殖腺はほとんど発達しておらず、内臓もあまり目立たないので、もう、体のスペースほとんどが口器というぐらい。食用になるムラサキウニやバフンウニであれば、もっともっと小さいのですが…。どうしてこんなに大きいのでしょうねぇ。
凝視していると、口器が宇宙船のコックピット(脱出用/司令船)に見えてきました。
もしかして、口器自体が「ウニの本体」だったりして…な~んて(笑)←もちろん違いますよ。
ところで、パイプウニは好評の秋イベント「鳥羽水族館で栗ひろい!?」で展示しているのですが、今のところ長期飼育に手こずっています。
他のウニはどの水槽でもさほど問題なく飼育できていたのに、このパイプウニは要求条件が違うのか、飼育が難しい…
それで、たびたび「アリストテレスのランタン」を取り出す機会ができ、ここで紹介しているのです…
水槽を見ると、シャワーの下にいることが多いようですし、自然下でも波あたりの強いきれいな海域に分布するようなので、このあたりがカギなのかもしれません。