本日、オウムガイが4個体入館しました。
オウムガイは業者を通じてフィリピン近海で捕獲されたものを購入しますが、生きた状態で輸送する場合は若い小型個体の方が容易なためか、国内で流通するのは小さな個体が多いようです。
とくに最近は小型化に拍車がかかっているように感じています。
水族館では繁殖も視野に入れて飼育しているので、しっかりとした繁殖可能なサイズを導入したいのですが、なかなか困難なのが現状です。
(大型個体は現地で食べられたり、殻が装飾用に加工されてしまうそうです)
さて。
話は変わって…搬入するオウムガイは野生のものなので体の表面に寄生虫が付いています。
実は、1896年にWilleyさんというオウムガイ研究者が、オウムガイに寄生するコペポーダとしてAnchicaligus nautili を記載しています。
たぶん、こいつがそれだと思います。
学名(種小名)がnautiliと表記されるぐらいなので、オウムガイ(Nautilus)と密接な関係にあるのでしょうか。興味ありますねぇ。
腹面から見るとこんな感じ。オウムガイに取りつくための脚の作りが、かなりしっかりしているのがわかります。
ちなみに、コイツは水族館に入館するほとんど全てのオウムガイに寄生しています。
とは言え、特別深刻な被害を与えるものではないようですし、しばらくオウムガイを飼育しているといつの間にか死に絶えてしまうようです。
【飼育研究部 森滝丈也】