過去の飼育日記で紹介済みですが、今年1月に採集した深海ウニPrionechinus forbesianusの殻上に2匹のヤドリニナの仲間が寄生していました
ウニは№9(愛称Qちゃん)、殻径およそ1㎝
貝の寄生の影響なのか、この個体の殻の形状は著しく変形していました(左側の棘を除去)
貝の寄生でここまで変形するものなのか…これまでにおそらく報告のない興味深い事例でした。
次に、こちらは3月に採集した別個体。
これも飼育日記ネタとしては既出ですが、殻の形状に違和感を覚えてよく見るとやはりヤドリニナが1匹寄生していました。
どうやらヤドリニナによって殻の形状に大きな変化が引き起こされることは間違いないようです(少なくとも本種では)
ところが先日、ヤドリニナが脱落して行方不明になっていることに気が付きました。
寄生貝による殻の形状変化を追跡調査したかったのに残念です…
そしてよくよく観察してみると…なにやら上皮がブヨブヨと膨張しています。
いずれにしてもこんなぶよぶよ状態でヤドリニナが寄生し続けるのは困難だったように思われます。
とりあえずこの変化以外は、特に調子を崩しているようには見えないので、このウニがこれからどう変化していくのか観察は継続予定。
実は顕微鏡のライティングを少し改良したので、以前より観察しやすくなりました。
観察対象も以前より美しく撮影できます。
…と、今回、飼育日記で言いたかったのはこれだけ、ハイ!重要(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】