只今開催中の春の企画展「イカvsタコ頂上決戦」。
そのイカ・タコ(オウムガイも)など頭足類にしか見られない器官といえば……そう、「顎板(がくばん)」クチバシ状の口器です。
鳥の姿に似ていることから「カラストンビ」とも呼ばれます。上顎が「カラス」で下顎が「トンビ」。
獲物をかみ切るのに非常に重要な器官です。
こちらは、世界最大のタコであるミズダコの顎板(正面から撮影)。
一方、こちらはパラオオウムガイの顎板です。先端が炭酸カルシウムでコーティングされているのが特徴です。
顎板はキチン質で消化されにくいため、捕食者の胃の中でもそのまま残り、誰が何を食べたかを調べる証拠になります。
例えば、これはダイオウグソクムシの胃内容物から見つかったイカ類の顎板。
タイワンダイオウグソクムシの胃内からも小さな顎板を見つけたことがあります。
顎板を調べることで、誰がどの種類のイカを食べたかまで推定できる可能性があります。
さらに顎板は現生種だけでなく、絶滅した頭足類にも見られます。
例えば、古代の海ゾーンで展示しているアンモナイト「パキデスモセラス」の化石をよく見ると、殻口付近に何やら異物(矢印)が…
形からの推測ですが、これはおそらく顎板(一部)だと思われます(詳細な調査が必要ですが)。
このように、顎板は頭足類を理解するうえで重要なポイントなのです。ぜひ注目を!
【飼育研究部 森滝丈也】






