去年、当館の年報で和名を提唱したカガミモチウニですが、最近、いくつかの水族館でも「カガミモチウニ」の名前で展示されるようになってきたようです。名前が少しずつ認知されてきたのは、嬉しいですね。
カガミモチウニはウニの仲間としては珍しく、オスとメスの外部形態が異なる性的二型を示します。
生殖孔の大きさと開口位置が雌雄で異なることは以前から知られていましたが、観察していると、どうも殻の形や棘疣も異なる印象がありますね。メスに比べるとオスの殻はやや扁平で、棘疣が大きいようです。
飼育を通じて、カガミモチウニはメスの上にオスが乗る不思議な行動を取ることが明らかになりましたが(おそらく繁殖行動)、性的二型はこの行動と関係があるのかもしれません。
【飼育研究部 森滝丈也】