2023年3月31日のお昼12:30から、館内の大水槽で今年も水中入社式を行いました。
本年度の鳥羽水族館の新入社員は6名いますが、この、年に一度の一大イベントに挑んだのは、国家資格「潜水士」の資格を持ち飼育研究部に配属される女性2名と男性1名です。
今でこそ鳥羽水族館の恒例行事となったこの水中入社式ですが、初めて行ったのは2006年のこと。「せっかく飼育研究部に配属されるのなら記念になる形で」と、先輩飼育係たちの提案がきっかけでスタートし、今年で16回目を迎えました。
2021年は新型コロナウイルスの影響もあり新入社員の採用がなかったため、入社式自体ありませんでしたが、それ以外はほぼ毎年開催(2007年のみ開催せず)してきた甲斐もあり、この一風変わった入社式の認知度も年々上がっています。今年は特にコロナウイルスによる自粛ムードも徐々に開放に向かっている傾向もあってか、平日にもかかわらず、いつにも増してたくさんのお客さんに見守られながら行われました。
会場は水族館の玄関口のエントランスホールと、ホールに面したコーラルリーフ・ダイビング水槽。この水槽は水量約800トン、奥行き15m×横16m×水深5.5mもある、鳥羽水族館で一番大きな水槽です。
大勢のお客さんが見守る中、まずは飼育研究部長を先頭に先輩ダイバーが水中に登場。中には去年この水中入社式の儀礼を通過した先輩ダイバーもいます。そして皆に迎え入れられるように、リクルートスーツで正装した新入社員3名が、初心者マークを付けたボンベを背負って入場してきます。水槽前の館長が「飼育研究部への配属辞令書」を読み上げると、水中では飼育研究部長から新入社員代表の男性に辞令が手渡され、新入社員は浮き上がりそうになるのを懸命に我慢しながら両手でしっかりと受け取りました。
続いて、一緒に潜った先輩飼育係からガラス磨き用のスポンジをプレゼントされると早速掃除に挑戦。華麗な潜水技術とスムーズなスポンジさばきでガラスを磨く先輩の隣で、新入社員の3人は水槽に固定された取手をつかみ、バランスをとりながら水中での記念すべき初仕事をこなしました。
最後に、新入社員代表の女性が水中マイクを通し、会場のスピーカーから感謝の気持ちとこれからの抱負が流れると、お客さんから盛大な拍手が沸き起こりました。
水中入社式を終えた新入社員は「無事式が終わってホッとしました。このような思い出に残る入社式を開催していただき、感謝しています。責任感を持って動物に携わり、歴史のある水族館の伝統を引き継ぎつつ、新しい伝統が作れるような飼育係になりたいです。」と、感想と今後の意気込みを話してくれました。頼もしい3人のこれからの活躍にご期待ください!
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