「生息域外保全」で飼育中の絶滅危惧種「ミヤコカナヘビ」(トカゲの仲間)の展示を5月21日(土)より開始します。
「ミヤコカナヘビは沖縄県宮古諸島に生息するカナヘビ科の仲間で、以前は沖縄や奄美に生息するアオカナヘビと同種と考えられてきましたが、DNAを用いた研究により独立した種であることが判明しました。
「ミヤコカナヘビについての研究は、生物相だけでなく、宮古諸島の成り立ちそのものを知ることにもつながると期待されていますが、近年開発による生息地の縮小や、外来生物による捕食などの原因により、その個体数が減少しています。
この個体数の減少を受け、国際自然保護連合(IUCN)や環境省のレッドリストでは、ミヤコカナヘビは絶滅危惧種に分類されています。更に天然記念物(沖縄県指定)や「種の保存法」の希少野生動植物種に指定され捕獲や譲渡などが禁止されています。
日本動物園水族館協会(JAZA)加盟の動物園や水族館では以前より、環境省、大学等の関係機関と連携し、希少野生動物の「生息域外保全」の取り組みを行ってきました。ミヤコカナヘビについても円山動物園(北海道)、上野動物園が飼育繁殖を行ってきました。鳥羽水族館には2020年11月に円山動物園より同種30頭が移送され、その後繁殖を経て現在は42頭を飼育しています。
鳥羽水族館では、5月21日より館内Gゾーン「奇跡の森」においてミヤコカナヘビの展示を開始すると共に、引き続き同種を含む希少野生動物の保全に取り組んで参ります。
【ミヤコカナヘビとは】 カナヘビ科に属するトカゲの仲間で、鮮やかな緑色の体色が特徴。宮古諸島にのみ生息する固有種で1996年に新種であることが判明した。全長は成体で約30cm、主に昆虫を捕食する。
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